You are under arrest.とは?
英語の刑事ドラマや犯罪映画を見ていると、警察官が容疑者に向かって叫ぶシーンでほぼ必ずといっていいほど登場するフレーズがあります。You are under arrest.がそのひとつです。日本語に訳せば、「あなたを逮捕します」「逮捕だ」「動くな、逮捕する」といったニュアンスになります。
シンプルな構造の文ですが、この一言が発せられる瞬間の緊張感は格別です。be under arrestという表現は、「逮捕状態にある」「法的拘束を受けている」という意味を持ち、警察や法執行機関が相手の自由を公式に制限することを宣言する言葉です。日本語の「逮捕します」と同様、これは単なる日常会話ではなく、法的な効力を持つ宣言として使われます。
ネイティブスピーカーにとっても、この表現は日常的に使うものではなく、法執行の場面や、それを模した緊迫したシチュエーションに限定される特別なフレーズです。この記事では、この表現の構造から使われる場面、会話例、注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:under arrestはどういう意味か?
まず、この表現の核心部分である under arrest について理解しておきましょう。
underはもともと「〜の下に」という空間的な意味を持つ前置詞ですが、英語では「〜の状態にある」「〜の支配・影響下にある」という意味でも広く使われます。under pressure(プレッシャーを受けている)、under construction(工事中)、under investigation(調査中)などと同じ用法です。
arrestは動詞では「逮捕する」「止める」、名詞では「逮捕」「停止」を意味します。つまり under arrest は「逮捕という状態の下に置かれている」、すなわち「逮捕されている状態」を表します。You are under arrest. を直訳すれば「あなたは逮捕状態にある」となり、それが転じて「あなたを逮捕する」という宣言として機能するのです。
英語圏では、逮捕の際にこのフレーズとともにミランダ警告(Miranda Warning)と呼ばれる権利の告知が義務づけられています。You have the right to remain silent.(黙秘権があります)などがその代表例で、You are under arrest. はその告知の出発点となる重要なフレーズです。
どんな場面で使われるのか?
You are under arrest.が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- 警察官が現行犯を取り押さえ、公式に逮捕を宣告するとき
- 刑事ドラマや映画で、クライマックスの逮捕シーンに至ったとき
- 令状を持った捜査官が容疑者の自宅や職場に踏み込んだとき
- ゲームやロールプレイの中で、警察官の役を演じる場面
- ユーモアを交えた冗談として、友人間で軽く使われるとき
共通しているのは、「権限を持つ者が相手の自由を制限する」「公式な宣言として発せられる」という点です。単なる「捕まえた」という意味ではなく、法的な手続きの開始を告げる言葉として使われます。
映画やドラマでは、長い捜査の末にようやく犯人を追い詰めた瞬間や、意外な人物が逮捕される衝撃的な場面などでよく使われます。現実の法執行の現場でも、このフレーズは逮捕手続きの出発点として非常に重要な役割を担っています。
会話例
実際の使われ方を、いくつかの場面別会話例で確認しましょう。
例1:現行犯逮捕の場面
Officer: Stop right there! You are under arrest! Suspect: What? No, you've got the wrong guy! Officer: You have the right to remain silent. Anything you say can be used against you in court. 警察官:止まれ!逮捕する! 容疑者:何?違う、人違いだ! 警察官:黙秘権があります。あなたの発言は法廷で不利な証拠として使われる可能性があります。
例2:令状による逮捕
Detective: Mr. Harrison, you are under arrest for fraud and embezzlement. Harrison: I want my lawyer. Right now. Detective: Of course. Please come with us. 刑事:ハリソンさん、詐欺と横領の容疑で逮捕します。 ハリソン:弁護士を呼んでくれ。今すぐに。 刑事:もちろんです。こちらへどうぞ。
例3:ユーモアを交えた日常会話
A: You are under arrest for stealing my heart! B: Ha! I'll come quietly, then. A:君を逮捕する、僕の心を盗んだ容疑でね! B:はは!おとなしく捕まるよ。
ニュアンスと使い方の注意点
① 法的・公式な表現であることを理解する
最も重要な注意点として、You are under arrest. は法的な効力を持つ宣言であり、権限のある法執行官が使うことを前提とした表現です。一般人が冗談以外の文脈でこのフレーズを使うと、状況によっては誤解や混乱を招く可能性があります。英語学習者はこの表現の持つ重みをしっかり理解した上で使いましょう。
② 関連する重要表現も覚えておこう
逮捕の場面や法執行に関わる表現として、以下も合わせて覚えておきましょう。
- You have the right to remain silent.(黙秘権があります)― ミランダ警告の冒頭部分
- Don’t move! / Freeze!(動くな!)― 逮捕直前に使われる命令表現
- Put your hands up!(手を上げろ!)― 同様に緊迫した場面で使われる
- You’re being detained.(あなたを拘留します)― 逮捕よりも軽い身柄拘束を示す表現
③ arrestを動詞として使う形も重要
You are under arrest. という受動態的な表現の他に、動詞としてのarrestを使った表現も英語では頻繁に登場します。We are arresting you.(あなたを逮捕します)や He was arrested last night.(彼は昨夜逮捕された)のように、動詞形でも同じ意味を表現できます。文脈に応じてどちらの形も使いこなせるようにしておきましょう。
④ 発音とイントネーションに注意
このフレーズは、どのようなトーンで発するかによって、伝わる感情やニュアンスが大きく変わります。力強く短く言えば命令・宣告の強さが増し、落ち着いたトーンで言えばより公式・事務的な印象になります。ドラマや映画を見るときに、俳優がどのようなイントネーションでこのセリフを言っているかを意識して聞き取ってみると、英語の感情表現の幅広さが実感できるでしょう。
まとめ
You are under arrest.は、英語圏における法執行の場面を象徴する、非常に認知度の高いフレーズです。映画・ドラマの中で何度も繰り返し登場するため、英語学習者にとっては耳に馴染みやすい表現でもあります。
ただし、法的な宣言としての重みを持つ表現であることは常に意識しておきましょう。ユーモアや創作の文脈では親しみやすい形で使われますが、現実の状況での取り扱いには注意が必要です。
また、under arrestの構造を理解することで、under construction(工事中)やunder investigation(捜査中)など、同様のunder+名詞という表現のパターンを一気に応用できるようになります。英語学習者としては、このフレーズを入口にして、関連する法律・警察用語や表現パターンへと学習を広げていくことをおすすめします。ぜひ刑事ドラマや犯罪映画を英語音声で視聴しながら、このフレーズの使われ方を体感的に学んでみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。専門は英語教授法。英語学習や英語教育に関する論文、著書、記事多数。
