I didn’t mean to hurt you.とは?
英語の映画やドラマ、あるいは日常会話の中で、誰かが誰かを傷つけてしまった場面の後によく耳にするフレーズがあります。I didn’t mean to hurt you.もそのひとつです。日本語に訳せば、「傷つけるつもりはなかった」「hurt する気はなかった」「わざとじゃなかった」といったニュアンスになります。
シンプルに分解すると、「I didn’t mean to + 動詞の原形」という構造で、「〜するつもりはなかった」という意味を持つ表現です。ここに hurt you(あなたを傷つける)が続くことで、相手への謝罪や弁明の気持ちを伝えるフレーズとして完成します。単なる謝罪の sorry とは異なり、「意図がなかった」という点を強調するところがこの表現の核心です。
この記事では、このフレーズの構造や使われる場面、会話例、そして注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:mean to とはどういう意味か?
この表現を理解するうえで最も重要なのが、mean to という動詞の使い方です。
mean はもともと「意味する」という単語として知られていますが、mean to + 動詞の原形という形になると、「〜するつもりである」「〜を意図する」という意味になります。たとえば I meant to call you.(電話するつもりだった)や I mean to finish this today.(今日これを終わらせるつもりだ)のように使われます。
これを否定形にすると、「〜するつもりはなかった」「意図していなかった」という意味になります。つまり I didn’t mean to hurt you. は「あなたを傷つけようという意図は持っていなかった」という主張であり、単に「ごめんなさい」と謝るだけでなく、自分の行動が故意ではなかったことを明確に伝える表現です。この点が、I’m sorry I hurt you.(傷つけてしまってごめん)とは微妙にニュアンスが異なります。
どんな場面で使われるのか?
I didn’t mean to hurt you.が登場する典型的な場面を見てみましょう。
- 言葉の選び方がまずく、相手を傷つけてしまったと気づいたとき
- 冗談のつもりで言ったことが、相手には深刻に受け取られてしまったとき
- 行動や決断が、意図せず相手に精神的ダメージを与えてしまったとき
- 恋愛関係や友人関係において、別れや距離を置く際に相手への配慮を示すとき
- 家族間での言い争いや誤解が生じた後、関係を修復しようとするとき
共通しているのは、「自分は悪意を持っていなかった」「相手が傷ついたのは本意ではない」という気持ちを伝えたい状況です。感情的な会話の後や、誤解が生じたと感じたときに、自然と口をついて出るフレーズです。
会話例
実際の使われ方を場面別に確認しましょう。
例1:言葉が原因で
A: That comment you made really hurt me. B: I'm so sorry. I didn't mean to hurt you. I just wasn't thinking. A: あなたのあの一言、本当に傷ついたよ。 B: 本当にごめん。傷つけるつもりじゃなかったんだ。ただ、深く考えていなかっただけで。
例2:恋愛関係での場面
A: You acted like I didn't matter at all. B: Please believe me. I didn't mean to hurt you. I was going through a lot. A: まるで私のことなんてどうでもよさそうだった。 B: 信じてほしい。傷つける気は全くなかった。色々と大変だっただけなんだ。
ニュアンスと使い方の注意点
① 謝罪と弁明のバランスに注意
I didn’t mean to hurt you. は、使い方次第で言い訳に聞こえる場合もあります。相手がすでに深く傷ついている状況で、この言葉だけを繰り返すと、自分の意図の説明に終始しているように受け取られかねません。I’m sorry と組み合わせて使うことで、謝罪の誠意と意図の説明を両立させるのが自然です。
② hurt の意味の広さに注目しよう
hurt には「身体的に傷つける」だけでなく「精神的・感情的に傷つける」という意味もあります。この表現で使われる hurt は多くの場合、感情的なダメージを指します。文脈に応じてどちらの意味かを判断することが大切です。
③ 似た表現との使い分け
以下のような関連表現も合わせて覚えておきましょう。
- I didn’t mean to.(そのつもりじゃなかった)― hurt you を省略した短縮版
- It wasn’t my intention to hurt you.(あなたを傷つけるつもりはなかった)― よりフォーマルな言い回し
- I never meant to make you feel that way.(そんな気持ちにさせるつもりは全くなかった)― 感情に寄り添うニュアンスが強い表現
まとめ
I didn’t mean to hurt you.は、意図せず相手を傷つけてしまったとき、誠実に気持ちを伝えるための表現です。mean to という構造を理解すれば、応用範囲がぐっと広がります。謝罪の場面で自然に使えるよう、ぜひ身につけておきたい一文です。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。専門は英語教授法。英語学習や英語教育に関する論文、著書、記事多数。
