You think this is funny?とは?
英語の映画やドラマ、特に対立や言い争いの場面でよく耳にする表現のひとつが、You think this is funny?です。日本語に訳すと、「これが面白いと思ってるの?」「笑えると思ってるの?」「ふざけてるつもりか?」といったニュアンスになります。
文法的に見れば、Do you think this is funny?という疑問文からDoが省略された形です。口語英語では、この種の省略は非常に一般的で、特に感情が高ぶっている場面では自然に起こります。表面上は「面白いと思っているか?」と尋ねているように見えますが、実際には本当の答えを求めているわけではなく、相手の態度や言動への強い非難・怒りを表明するための修辞的疑問文(rhetorical question)として機能しています。
この記事では、You think this is funny?という表現の構造、使われる場面、会話例、そして注意点まで詳しく解説していきます。
表現の構造:なぜDoが省略されるのか?
標準的な英文法では、一般動詞を使った疑問文はDo you think this is funny?という形になります。ではなぜ、口語ではDoが落ちるのでしょうか。
これは英語における省略(ellipsis)と呼ばれる現象で、感情が強くなったときや、話者が強調したいことを直接的にぶつけたいときに頻繁に起こります。Doを省略することで、文全体がより鋭く、より直接的なトーンになります。「本当に聞いているのか?」という問いかけというよりも、「信じられない、ありえない」という感情の爆発に近い表現になるのです。
同様の省略は他のフレーズでも見られます。You serious right now?(本気で言ってるの?)やYou really think that’s okay?(それが大丈夫だと本当に思ってるの?)なども、同じ構造を持つ仲間です。
どんな場面で使われるのか?
You think this is funny?が登場する典型的な場面を具体的に見てみましょう。
- 相手がこちらの怒りや悲しみを笑い飛ばしたとき
- 真剣な話をしているのに、相手がふざけた態度を取っているとき
- 失敗やミスをした相手が反省するどころか笑っているとき
- 子供や部下が不真面目な態度を取っているとき
- 深刻な状況を冗談として扱われ、侮辱されたと感じたとき
共通しているのは、「相手の態度への強い不満と怒り」という感情です。このフレーズが発せられる状況では、話し手は笑いや冗談を一切受け入れる気がなく、相手に対して真剣さを求めています。
会話例
実際の使われ方を場面別の会話例で確認しましょう。
例1:職場でのミスについて A: You think this is funny? We lost the entire client because of your mistake. B: No, I'm sorry. I wasn't laughing at the situation. A: ふざけてるつもりか?お前のミスでクライアントを全部失ったんだぞ。 B: いいえ、すみません。状況を笑ってたわけじゃないんです。
例2:親子の場面 A: You think this is funny? I told you not to touch that! B: Sorry, Mom. I didn't mean to break it. A: 笑えると思ってるの?触るなって言ったでしょ! B: ごめんなさい、お母さん。壊すつもりじゃなかったの。
ニュアンスと使い方の注意点
You think this is funny?は、怒り・失望・呆れといった感情を乗せることができます。声のトーンや状況によって、軽い叱責にも激しい怒りの爆発にもなり得ます。ゆっくり低いトーンで言えば冷たい怒りが、速く鋭く言えばパニックや激情が伝わります。
また、このフレーズはフォーマルな場面には不向きです。感情的な色合いが非常に強いため、ビジネスシーンや初対面の相手への使用は避けた方が無難です。より穏やかな表現として、Do you find this amusing?やIs this a joke to you?なども覚えておくと役立ちます。
さらに、映画やドラマでは権威ある人物が相手を叱責するシーンで頻繁に登場するフレーズでもあるため、力関係の上下が感じられる場面で特に効果的に機能する表現です。
まとめ
You think this is funny?は、相手の不真面目な態度や軽率な行動への強い怒りと非難を一言で表現できるフレーズです。修辞的疑問文として機能するため、実際の答えを求めているわけではなく、感情のぶつけ合いの中で使われる「生きた英語」の代表例といえます。英語の映画やドラマでこのセリフが登場したとき、ぜひそのトーンや状況に注目してみてください。

こんにちは、ゆぶろぐです。
言葉には、辞書には載っていない「空気」があります。 「どんな表情で?」「どんなトーンで?」 そんな英語の「空気」ごと味わえるよう、フレーズと共に映画のワンシーンを紹介しています。あなたの英語学習が、もっとドラマチックなものになりますように。
本名、吉成雄一郎(よしなりゆういちろう)。株式会社リンガポルタ代表取締役社長。東京電機大学教授、東海大学教授を経て現職。専門は英語教授法。英語学習や英語教育に関する論文、著書、記事多数。
